スープのひみつ・出汁(だし)編

Ramen -

スープのひみつ・出汁(だし)編

渾身の一杯を目指してラーメンの専門店はスープ作りに情熱を注いでいます。

ラーメンは麺とスープのバランスがとても重要な料理で、どちらか一方が強すぎることのないよう細心の注意が払われています。

たっぷりと旨味を含んだ美味しい「出汁」に味噌や醤油の「タレ」で味付けをする、こうして奥深い味のラーメンのスープが完成します。

第1回目は「スープのひみつ・出汁編」です。

ラーメン専門店では、何種類もの材料を時間をかけてじっくり煮込み、出汁を作っています。火加減と出汁の濃度に注意を払いながら、 数日かけてラーメンの出汁を作るお店もあります。

美味しいラーメン専門店は、タレと合わせなくても充分コクがあり美味しい出汁を炊いています。

このブログでは、様々な材料の中から、出汁に使われる主な材料をご紹介します。


ramen soup stock

豚骨

ラーメンの出汁を取るために主材料としてもっとも一般的に使われます。
同じ豚であっても、使う部位によって出汁の出方や味が違います。
この特徴を生かし、それぞれの組み合わせを変えることで、スープの個性を鮮明に出すことができます。

豚骨は、鶏ガラに比べコラーゲンが多くゼラチン質が多量に出るのでしっかりとした出汁がとれます。
脂肪が多いので、出汁の表面に油が浮きやすくなります。
また、長く強火で煮続けていると、浮いた油は消え出汁が白濁してきます。
これは、出汁に溶けだしたゼラチン質が乳化剤の役割を果たし、出汁と分離していた油が乳化してその中に溶け込むからです。
つまり白濁した出汁は、乳化が上手くおこなわれていて味がまるくなり、出汁の味にまた別の良さがでてくると言われています。

鶏骨

鶏ガラでとる出汁は旨味の成分であるグルタミン酸が多いというのが特徴です。この成分がラーメンのスープのおいしさの基本となっています。

ただし鶏は、豚骨に比べてゼラチンの元になるコラーゲンというたんぱく質が少ないために長時間煮込んでも白濁せず、澄んだ出汁に仕上がります。
鶏ガラだけでなく肉のついた丸鶏を使えば更に濁りのない甘味のある濃厚な出汁がとれます。
これは、肉の部分に旨みの元になるたんぱく質が多いことや肉の骨に近い部分にもコラーゲンが多く含まれているからです。
またモミジと呼ばれる鶏の足元の部分にもコラーゲンが多く含まれています。

節類(和風だし)

和風出汁をとる場合に使う、かつお節、さば節、そうだ節などの総称を言います。
和風出汁では、たとえば、かつお節に昆布を組み合わせる方法などがとられます。異なった材料を合わせることで旨みがより強くなる効果が得られます。
鰹だしのイノシン酸と昆布だしのグルタミン酸が合わさることで一層旨味が増すのです。
また煮干しには、豚骨の匂いを消す働きもあります。

香味野菜

骨、特に豚骨を使用するスープには、その臭い消しが必要です。それにふさわしいのが、玉ねぎ・ニンニク・生姜です。
中でも生姜には、肉や魚の生臭みを消す成分が含まれていますので、その消臭効果は絶大です。
ニンニクや玉ねぎのような辛味と独特の臭いを持つ野菜を煮ることでその香り成分が甘味成分に変化し、出汁にほどよい甘味をもたらします。
このように自然の甘味を出すには、砂糖などを加えず、野菜でまかなうのが一番なのです。

ベジタリアン、ヴィーガンラーメン用の出汁にも様々な野菜が使われています。
玉ねぎ・長ねぎ・人参・きゃべつ・ジャガイモ・りんご、等の野菜が主に使われています。


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